相続・遺言

 2023年4月1日から遺産分割のルールが変わる

2021年3月に「民法等の一部を改正する法律」が成立しました。これにより2023年4月1日から、遺産分割のルールが変わります。

具体的には、特別受益と寄与分の主張がある場合には、相続開始時から10年以内に行わなければならなくなります。

相続専門の行政書士が説明します

弁護士法人プロテクトスタンスTOP法律コラム遺産分割のルールはどう変わる?民法改正のポイントを弁護士が解説

遺産分割のルールはどう変わる?民法改正のポイントを弁護士が解説

 

相続時の寄与分とは

寄与分は、特定の相続人が被相続人の財産の増加や維持に特別な貢献をした場合に認められる、遺産の取得割合を指します。

例えば、相続人が被相続人の介護をするために仕事を辞め、献身的な介護を行っていた場合などに、寄与分が認められる可能性があります。この場合、法定相続分よりも高い割合で相続することができます。

寄与分を主張するためには、以下の要件を満たす必要があります。

被相続人の財産の増加または維持に特別な貢献があったことを明確に証明する必要があります。具体的な証拠や記録などが必要です。

財産の増加や維持への貢献が相続人の義務や法律上の責任を超えるものであることが求められます。つまり、通常の相続人の責任を超えた特別な貢献が必要です。

財産の増加や維持に対する貢献が直接的かつ具体的に関連していることが要求されます。間接的な関与や一般的な助力では寄与分の主張は難しいです。

これらの要件を満たした場合、寄与分が認められる可能性があります。ただし、具体的な寄与分の主張には個別の状況や地域の法律なども考慮されるため、専門家に相談することが重要です。

寄与分の認定要件と言われているものは

  • 相続開始前に寄与行為が行われている。
  • 寄与行為が被相続人にとって必要不可欠である。
  • 特別な貢献である。
  • 被相続人から対価を受け取っていない。
  • 寄与行為が一定期間以上行われている。
  • 片手間な行為ではなく、大きな負担があった。
  • 寄与行為と被相続人の財産の維持・増加に因果関係が認められる。

 

特別受益や寄与分の制度があることで、公平な相続を実現することができます。
しかし、相続開始時から10年が経過した場合は、特別受益や寄与分を加味した具体的相続分での相続ができなくなりますので、注意が必要です。

 

10年経過後でも具体的相続分で相続できる場合

10年が経過した後でも、例外的に具体的相続分での相続ができます

2パターンが考えるます

① 相続開始時から10年が経過する前に、

家庭裁判所へ遺産分割請求(調停や審判の申立て)が行われていた場合。

② 相続開始時から10年の期間が満了する前の6か月以内に

、遺産分割の請求ができないやむを得ない事由があった場合、その事由が消滅した時から6か月経過前に相続人が家庭裁判所に遺産分割請求の調停や審判の申立てを行っていた場合。

 

遺産分割のルールはどう変わる?民法改正のポイント

2023年4月1日から遺産分割のルールが変わった

特別受益と寄与分の主張期限が10年以内に

① 特別受益
② 寄与分

10年経過後でも具体的相続分で相続できる場合
改正民法が適用される時期(経過措置)
遺産分割で争っている場合は弁護士に相談

2023年4月1日から遺産分割のルールが変わりました

2021年3月に「民法等の一部を改正する法律」が成立しました。これにより、2023年4月1日から遺産分割のルールが変更されます。

 

【特別受益と寄与分の主張期限が10年以内に】

遺産分割は通常、法定相続分に基づいて割り当てられます。法定相続分とは、民法に定められた相続人ごとの遺産取得割合のことです。

 

具体的相続分とは、法定相続分を基準に特別受益や寄与分を考慮して修正した相続分のことです。改正民法の施行後、具体的相続分に基づいた遺産分割を希望する場合には、特別受益や寄与分の主張を相続開始から10年以内に行う必要があります。

 

10年を経過すると、特別受益や寄与分を考慮した具体的相続分ではなく、原則として法定相続分での相続となります。

 

特別受益

特別受益とは、被相続人から生前贈与や遺贈などによって得た利益のことです。特別受益を受けた相続人がいる場合、その相続財産は法定相続分よりも少なくなるように持戻し計算が行われます。

特別受益に該当するケースとしては、以下のようなものが考えられます。

生活費の援助
不動産の贈与
養子

改正民法が適用される時期(経過措置)

改正民法による遺産分割のルールは、2023年4月1日から適用されます。しかし、一部の経過措置が設けられています。

具体的には、改正前の民法に基づいて相続が開始された場合には、改正後のルールが適用されません。つまり、相続開始日が2023年4月1日以前の場合は、改正前のルールが適用されます。

 

ただし、相続開始日が2023年4月1日以前でも、相続人が改正後のルールを適用することを希望する場合には、改正民法の適用を受けることができます。具体的な手続きについては、弁護士や家庭裁判所に相談することが必要になることがありますのでご注意ください。

 

遺産分割で争っている場合は弁護士に相談しなければ解決が難しくなりますので、普段からのコミニュケーションがとても大切になってきますので、相続手続きで争うのは時間の無駄と余計にお金がかかりますので、争いのない相続をするためには、相続の専門かに事前に相談することをお勧めします。

 

特に改正民法による遺産分割のルール変更に伴い、特別受益や寄与分の主張期限が10年以内に短縮されることから、遺産分割での争いが増える可能性があります。

 

もし遺産分割で争いが生じた場合は、相続に強い専門家相談することをおすすめします。相続は難しい法律用語がありますので遺産分割に詳しい専門家に相談すると、適切なアドバイスや解決策を提供してくれます。

 

遺産分割の争いを適切に解決するためには、公正なルールや手続きを理解し、法的なアドバイスを受けることが重要です。

以上が、2023年4月1日からの遺産分割のルール変更に関するポイントや留意点です。改正民法の施行により、具体的相続分の主張期限や適用時期などが変わるため、遺産分割を予定している方は早めに情報収集し、必要な手続きや対策を取るようにしましょう。

 

遺産分割に関する文書の作成と保管

遺産分割を円滑に進めるためには、関係者間で合意された内容を文書化し、保管することが重要です。具体的な文書には以下のようなものがあります。

遺言書

遺言者が自身の遺産分割に関する意思を書面で表明したものです。遺言書が存在する場合、その内容が遺産分割に反映されます。

協議書

相続人間で合意が成立した場合に作成される文書です。遺産分割の方法や割合、特別受益の有無などを記載します。

分割協議書

自分達や相続人全員で遺産分割の内容を決めた結果をまとめた文書です。通常は自分たちで話し合った内容が書面に記載されますが、家庭裁判所や家事調停などが行われた場合には家裁などでも作成されます。

これらの文書は、関係者が納得した内容や合意事項を明確にするために重要です。遺言書や協議書は自主的に作成することができますが、分割協議書は家庭裁判所の関与が必要となります。

 

作成した文書は適切な形式で保管しましょう。文書の紛失や改ざんを防ぐため、複数のコピーを作成し、安全な場所に保管することが望ましいです。

和解や調停の活用
遺産分割で争いが生じた場合、和解や調停といった解決手段を活用することも考慮しましょう。

和解は争いの当事者同士が協力し、話し合いや妥協によって争いを解決する手段です。和解による解決は時間や費用の面でメリットがあります。

 

調停は公正な第三者(調停委員)が関与し、争いの当事者を仲介・調整する手続きです。家庭裁判所での調停手続きを利用することもできます。調停の場での意見交換や専門家のアドバイスにより、遺産分割の紛争を解決することができます。

 

遺言公正証書などの種類と効果

日本の法律では、以下のような遺言の種類が存在します。

 

遺言公正証書(いぜんこうせいしょうしょ)

遺言公正証書は、公証人が立ち会い、公正証書によって作成される遺言です。公証人は、遺言者の意思を確認し、遺言書の作成を適切に行います。遺言公正証書は公証役場に保管され、遺産分割の際には公証人が遺言書の内容を証明する役割を果たします。

 

自筆証書遺言(じひつしょうしょうゆいごん)

自筆証書遺言は、遺言者自身が手書きで作成し、署名・日付がある遺言書です。遺言者の手書きが証拠となり、遺言書が本人の意思を反映していることを証明する役割を果たします。遺言書は直筆でなければならず、第三者が代筆したり印刷物を使用したりすることはできません。

 

口述遺言(こうじゅつゆいごん)

口述遺言は、遺言者が直接口頭で遺言を伝える形式の遺言です。特定の緊急事態や病状などで、遺言書を作成する時間的余裕がない場合に利用されます。この場合、複数の証人が立ち会い、遺言者の意思を確認します。遺言者が亡くなる前に遺言内容を文書化することが望ましいです。

 

これらの遺言の種類は、遺言者が最終的な意思を表明し、遺産の分割や遺産相続に関する指示を残すための手段として使用されます。ただし、各種類の遺言には法的な要件や手続きが存在するため、正確かつ適切な方法で遺言を作成することが重要です。

 

遺言を作成する際には、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。弁護士や公証人に相談し、遺言書の作成や登録に関する適切な手続きを行うことで、遺言の有効性や遺産分割の円滑な実施が保証されます。

 

また、遺言にはさまざまな内容が含まれることがあります。以下に一般的な遺言の項目をいくつか挙げますが、具体的な内容は個人の意思や状況によって異なる場合があります。

 

遺産の分割方法
遺言書では、遺産をどのように分割するかを明示することができます。相続人や受取人の割合、財産の具体的な配分方法などを指定することができます。

 

遺産の管理・処分方法
遺言者が所有している財産や資産に関して、特定の人物に管理・処分を委任することができます。例えば、遺産を信託に組み入れる場合や、特定の財産を慈善団体に寄付する場合などです。

 

相続人の指定
遺言書では、相続人を指定することができます。通常、法定相続人として指定される家族や親族以外に、友人や関係者に遺産の一部を相続させることも可能です。

 

遺児の後見人の指定
未成年の子供を持つ場合、遺言書で遺児の後見人を指定することができます。後見人は、子供の福祉や財産管理を担当します。

葬儀・埋葬方法の指示
遺言書では、自身の葬儀や埋葬方法に関する指示を残すこともできます。葬儀の形式や場所、埋葬後の供養方法などを明確にすることができます。

 

これらは一般的な遺言書の項目の一部です。遺言書は個人の意思を反映するものであり、特定の事項や希望を明示することができます。

遺言書の作成は重要な事項であり、相続に関する紛争を防ぐためにも正確かつ明確な指示を残すことが求められます。

 

ただし、遺言書の作成や遺言の内容には法的な要件や制約が存在するため、専門家の助言やアドバイスを受けることが重要です。

弁護士や公証人などの専門家に相談し、遺言書を適切に作成するこことをおすすめします。専門家は遺言書の作成手続きや法的な要件に精通しており、適切なアドバイスを提供してくれます。

 

また、遺言書の内容は変化する可能性があるため、定期的に見直すことも重要です。結婚や離婚、出産や死亡など、家族や財産状況に変化が生じた場合は、遺言書を更新する必要があります。

 

最後に、遺言書は機密性が高く、遺言者の意思を尊重するためにも安全な場所に保管することが重要です。

公証役場や弁護士事務所などの信頼できる機関に遺言書を預けるか、信頼できる人に遺言書の存在と場所を伝えることが推奨されます。

 

以上が一般的な遺言書の項目や注意点についての説明です。ただし、遺言書の作成や内容には個別の法律や規則が存在するため、具体的なケースに応じて専門家の指導を受けることが重要です。

 

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