外国人就労の緩和 受け入れ環境向上が鍵 移民法案とも言われているが何処まで本気どが伝わるかが

政府は外国人の就労規制を緩和する方針を打ち出した。

 

農業を含めて人材難に苦しむ業界からは“即戦力確保”への期待が高い。

 

一方で、本当に人手不足解消につながるのか、治安の悪化を招かないかといった不安も少なくない。

 

関連法制度の整備に当たり、解決すべき課題は多い。農業界も受け入れ環境の向上へ自己努力が求められる。

 

今月15日に閣議決定した経済財政運営の基本方針(骨太方針)に、外国人の新たな在留資格を作る方針を盛り込んだ。

 

技能実習制度や国家戦略特区での外国人受け入れに加えて今回、新たな仕組みを設けるのは、

 

産業界が外国人材の受け入れ拡大を強く要望しているためだ。

 

新たな制度は農業、介護、建設、宿泊、造船の5業種を対象にする見込みだ。

 

技能実習制度の修了者や、それと同等の技能・日本語能力を問う試験に合格した外国人に就労を認める。

 

報酬は日本人と同等以上、就労期間は通算5年を上限とする。詳細は政府が今後詰める。

 

今回の規制緩和に農業界の期待は大きい。だが、狙い通り即戦力を確保し、労働力不足を解消できるかは未知数だ。

 

人不足は日本に限った問題ではない。アジア労働人材の争奪戦には、韓国、台湾なども参入する。

 

賃金や待遇面で必ずしも日本に優位性があるわけではない。

 

さらに、就労先に日本が選ばれたとしても、農業で働くとは限らない。

 

国境を越えた人材獲得競争、国内での業種間競争の二つが待ち構える。

 

農業の人手不足は今後、一段と深刻化するのは必至だ。法人経営体の推進や規模拡大が進むほど、

 

雇用労働力への依存度は高くなる。既に多くの産地では、人不足のために潜在生産力をフルに発揮できない問題に直面する。

 

まさに「人の確保こそ最大の成長戦略」である。

 

二つの競争に勝ち抜けるかは、優位性のある賃金水準や労働環境を実現できるかにかかる。

 

「安い労働力」という意識では結局、虎の子を失う事態になる。

 

一方で、農業経営体は他の業態に比べれば中小零細であり、経営体力に限界もある。

 

今月上旬、関連農業団体と農水省が「農業技能実習事業協議会」を設立した。

 

実習生の失踪や受け入れ側の不正行為などの改善策を考え、実習生が安定的に従事できる環境整備に取り組む。

 

こうした自己努力が重要である。例えばファンドをつくって技術研修や初期渡航費に助成するなど踏み込んだ対策も考えられる。

 

国への支援要望をまとめる必要もあろう。スピーディーな検討がポイントだ。

 

政府は今回の規制緩和について、移民政策と一線を画すとの立場だ。

 

ただ、欧米ではこの問題が国家の深刻な分断の震源と化している。安い労働力への過度の依存は、

 

日本人の低賃金化や技術革新を活用した労働生産性向上に水を差すとの指摘もある。

 

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